2024年度学院等開講科目工学院電気電子系

電力工学第一

シラバス

本講義では，現代社会の基盤を支えている電気エネルギーについて，その伝送技術の基礎について講義を行う。具体的な講義項目は，電力システムの等価回路，単位法，電力円線図，故障計算法，同期安定性などの考え方である。

本講義を履修することによって，次の能力を習得する。
1)電力システムで電力がどのように送られているかを理解する
2)電力システムの等価回路を導くことができる
3)故障時等の電力システムの不平衡な電圧・電流・インピーダンスを計算できる
4)定常状態における電圧安定性と同期発電機の安定性が計算できる

電力システム，三相回路，有効・無効電力，送電線，変圧器，同期発電機，等価回路，単位法，電圧制御，故障計算，対称座標法，同期安定性，保護リレー，配電

1) 配付資料に基づき講義を行う。配布資料等を用い予習，復習を行うこと。
2) 講義中の小テストを実施し、理解度を確認する。
3) 講義の最後に出題する課題を指定の期日までに提出する。

	授業計画	課題
第1回	電力システムの概要（構成，主要機器など）	電気所の役割の説明
第2回	三相交流回路と複素電力	例題系統に対する三相回路から単相等価回路の導出
第3回	送電線の線路定数	例題送電線に対する架空送電線の線路定数の計算
第4回	送電線・変圧器のモデリング	三相変圧器（Y-Δ結線など）の単相等価回路の導出
第5回	同期発電機（電力系統の観点から）	同期発電機や付随する励磁制御装置について説明
第6回	単位法	電気回路への単位法の適用
第7回	電力システムのモデリング	電力システムの等価回路の導出
第8回	電力の伝送特性，電力円線図	受電端電圧を維持するために必要な調相設備容量の計算
第9回	無効電力と電圧調整	送電線における無効電力のバランスについての説明
第10回	同期安定性	例題系統に対する相差角・電力特性導出
第11回	対称座標法	三相短絡等に対する故障電流を表す式の導出
第12回	電力系統の故障計算	例題として示した電力系統に対し１線地絡時等の故障電流の計算
第13回	中性点接地方式	接地方式の方式と特性，不平衡とその影響
第14回	電力系統の保護と遮断	様々な種類の計器用変圧器の特徴についての説明

学修効果を上げるため，教科書や配布資料等の該当箇所を参照し，「毎授業」授業内容に関する予習と復習（課題含む）をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

授業で用いる資料は事前にT2Scholaにアップロードする

1) 授業で用いる資料は事前にT2SCHOLAにアップするので，講義前にダウンロードしておくこと。
2) 参考書
大久保仁：「電力システム工学」（オーム社），林泉：「電力系統」（昭晃堂），安岡康一：「電力工学」（オーム社），道上勉：「送電・配電」（電気学会）

授業中の小テストと単元毎のレポートによる。

電気回路，電気機器についての基礎的な知識を身につけていることが必要。