2024年度 学院等開講科目 工学院 電気電子系
フーリエ変換とラプラス変換
- 開講元
- 電気電子系
- 担当教員
- 角嶋 邦之 / TRAN GIA KHANH
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火3-4 (S2-204(S221)) / 金3-4 (S2-204(S221))
- クラス
- -
- 科目コード
- EEE.M211
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2024年度
- 開講クォーター
- 1Q
- シラバス更新日
- 2025年3月17日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義では,線形システムに関する解析手法であるフーリエ級数,フーリエ変換およびラプラス変換を扱う。線形システム,周期信号とフーリエ級数を説明し,続いて,非周期信号とフーリエ変換,フーリエ変換の性質,たたみ込み,離散フーリエ変換,高速フーリエ変換を扱う。さらにフーリエ変換の拡張として,ラプラス変換,ラプラス変換の性質を説明し,ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を説明する。講義と演習を密接に組み合わせて,線形システムに広く応用可能な数学的手法の基礎を提供する。
電気電子工学や情報通信工学では,周波数領域での考え方は必須である。すなわち,電気回路の入力電圧を時間の関数で与えて出力電圧の時間関数を求めるとき,一般に我々は回路および入出力電圧関数を時間領域で考えている。しかしこの問題はフーリエ変換などの数学的手法を用いると,周波数領域という別の見方で捉え直すことができて,その結果工学的に極めて有用な結果が得られる。先に示した電気回路は線形システムの一例であるが,この数学的手法は電気回路以外の線形システムにも幅広く適用することができることから,工学の数学では最も有効な科目ともいえる。講義で学んだ手法を実際の問題に応用し,解決する醍醐味を味わってほしい。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)線形システムとは何か,信号を時間領域と周波数領域で扱う概念を説明できる
2)周期関数をフーリエ級数展開でき,回路応答を伝達関数で表現できる
3)非周期関数をフーリエ変換で表すことができ,周波数スペクトルを求めることができる
4)離散フーリエ変換と高速フーリエ変換の手法と特徴,および応用例を説明できる
5)ラプラス変換の基本知識を持ち,これを用いて線形回路の過度応答を求めることができる
6)未知の問題に対して,数学的手段としてのフーリエ変換及びラプラス変換を使うことができる
キーワード
フーリエ級数展開,フーリエ変換,離散フーリエ変換,ラプラス変換,時間領域,周波数領域,過渡解析,標本化定理,線形システム,電子回路,伝達関数,システムの安定性
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
- ・電気電子分野の基礎専門力
授業の進め方
毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 線形システムとは,周期関数の級数展開 | 線形システムの定義確認,フーリエ展開係数の導出 |
第2回 | フーリエ級数の性質 | 関数の偶奇性とフーリエ展開係数導出,フーリエ級数の項別微分 |
第3回 | 線形回路の周期波に対する定常応答 | 回路の線形性判定,線形回路の定常応答と任意周期波の回路応答導出 |
第4回 | 非周期関数とフーリエ積分・フーリエ変換 | フーリエ変換・逆変換の式の導出,フーリエ余弦変換・フーリエ正弦変換 |
第5回 | フーリエ変換の存在と性質 | フーリエ変換が存在するための条件の理解,フーリエ変換の性質 |
第6回 | 時間領域表示と周波数領域表示,線形回路の時間応答と周波数応答 | 時間領域と周波数領域の間に存在する双対関係の説明,線形回路の時間応答と周波数応答の関係図示と説明 |
第7回 | フーリエ級数とラプラス変換の理解度確認 (I) | 第1回から第6回までの理解度確認演習と到達度評価 |
第8回 | シャノンの標本化定理 | シャノンの標本化定理の説明 |
第9回 | 離散フーリエ変換の基礎(定義,性質) | 離散フーリエ変換の基礎(定義,性質) |
第10回 | 離散フーリエ変換の実際(帯域制限,窓関数,高速フーリエ変換,応用例) | 離散周期信号の離散フーリエ変換導出 |
第11回 | 0~∞上の関数とラプラス変換,ラプラス変換の性質,部分分数展開 | ラプラス変換の性質の説明 |
第12回 | ラプラス逆変換, 線形回路の過渡応答 | ラプラス逆変換,定係数の微分方程式の解法, 線形回路の過渡応答解導出 |
第13回 | システムの安定性, 電気電子システムへの応用, z変換 | ラプラス変換を用いた電気電子システムへの応用 |
第14回 | フーリエ級数とラプラス変換の理解度確認 (II) | 第8回から第13回までの理解度確認演習と到達度評価 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
なし
参考書、講義資料等
松下泰雄『フーリエ解析-基礎と応用-』培風館, ISBN-13: 978-4563011093
寺田文行『フーリエ解析・ラプラス変換』サイエンス社, ISBN-13: 978-4781908939
成績評価の方法及び基準
フーリエ級数,フーリエ変換,ラプラス変換の考え方,計算法及びそれらの応用について,その理解度を評価.
配点は,第1回~第6回レポート(10%),第7回演習(40%),第8回~第13回レポート(10%),第14回演習(40%)
関連する科目
- EEE.M201 : 解析学(電気電子)
- IEE.C431 : 応用統計解析
- EEE.M241 : 離散時間システム
- EEE.C201 : 電気回路第一
- EEE.C202 : 電気回路第二
- EEE.C261 : 制御工学
履修の条件・注意事項
微分積分学第一(LAS.M101),微分積分学第二(LAS.M105)を履修していること,または同等の知識があること。