2024年度学院等開講科目理学院物理学系物理学コース

結晶物理学

開講元: 物理学コース
担当教員: 打田正輝
授業形態: 講義 (対面型)
メディア利用科目: -
曜日・時限 (講義室): 火1-2 (S2-201(S224)) / 金1-2 (S2-201(S224))
クラス: -
科目コード: PHY.C441
単位数: 200
開講時期: 2024年度
開講クォーター: 1Q
シラバス更新日: 2025年3月14日
使用言語: 英語

シラバス

授業の目的（ねらい）、概要

結晶物理学では、結晶を巨視的な観点で異方性媒体として考える。結晶の物理的性質を議論するためには、テンソルの概念が重要となる。まず、結晶物理学の基礎について概説したあと、変換と2階テンソルを議論する。次に、結晶の平衡状態の特性として、磁化率、誘電率、応力、歪みのテンソルの性質について考察する。さらに、結晶の輸送特性として、熱伝導率、電気伝導率のテンソルの性質について考察する。結晶の対称要素や点群についても解説する。

到達目標

本講義を履修することにより、次の専門的スキルを身につける。
1) 物質の基本的構造が原子の周期的配列すなわち結晶であることを理解する。
2) 結晶の対称性と物質のマクロな物理的性質が密接に関係していることを理解する。

キーワード

結晶、格子、点群、対称性、テンソル

学生が身につける力

専門力
教養力
コミュニケーション力
展開力 (探究力又は設定力)
展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

講義は板書形式で行う。毎回の講義の終わりに質問・コメントを質問票として提出する。

授業計画・課題

	授業計画	課題
第1回	結晶物理学の基礎（スカラー・ベクトル・テンソル・変換）	結晶物理学の基礎を理解する
第2回	結晶物理学の基礎（テンソルの定義、2次表現）	結晶物理学の基礎を理解する
第3回	結晶の対称性（対称要素、点群、晶族）	結晶の対称性を理解する
第4回	結晶の対称性が結晶の特性に与える効果	結晶の対称性が結晶の特性に与える効果を理解する
第5回	変換と2階テンソル	変換と2階テンソルを理解する
第6回	ベクトル積（極性・軸性ベクトル）	ベクトル積を理解する
第7回	モールの円	モールの円
第8回	磁化率テンソル	磁化率テンソルを理解する
第9回	誘電率テンソル	誘電率テンソルを理解する
第10回	応力テンソル	応力テンソルを理解する
第11回	歪みテンソル	歪みテンソルを理解する
第12回	熱伝導率テンソル	熱伝導率テンソルを理解する
第13回	電気伝導率テンソル	電気伝導率テンソルを理解する
第14回	まとめ	結晶物理学を理解する

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため，教科書や配布資料等の該当箇所を参照し，「毎授業」授業内容に関する予習と復習（課題含む）をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

J. F. Nye “Physical Properties of Crystals: Their Representation by Tensors and Matrices” (Oxford University Press)

参考書、講義資料等

講義資料を必要に応じて用いる。

成績評価の方法及び基準

レポート

履修の条件・注意事項

電磁気学、固体物理学の知識があることを前提にする。