2023年度 学院等開講科目 教養科目群 文系教養科目
科学技術倫理C
- 開講元
- 文系教養科目
- 担当教員
- 齋藤 宜之
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月3-4 (M-101(H116)) / 木3-4 (M-101(H116))
- クラス
- -
- 科目コード
- LAH.T305
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
「倫理学」とは、人間が行うことの「できる」行為を、「するべき(してもよい)」行為と「するべきでない」行為とに区別するための原理を探究する学問である。しかし、現代における科学技術の急速な発展によって、人間に「できる」ことの領域は急拡大し、それに対応する法や社会的規範を根拠づける倫理学の構築が急務になっている。以上のような問題関心のもと、本講義では、「科学」や「技術」が関わる倫理的な問題について、その原理を提供する思想や理論について解説するとともに、それらを具体的で実践的な事象に応用することを試みていきたい。
到達目標
(1)現実的・具体的な事象を、原理的・抽象的な次元において理解する能力を修得すること。
(2)「科学」や「技術」とはそもそも何であるのかという問題について、長いスパンでの歴史を視野に収めつつ一定の知見を得ること。
キーワード
科学、テクノロジー、責任、人間の条件、環境、人新世
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義形式を基本とし、可能な範囲で教員と学生ないし学生間のディスカッションも交えながら授業を進める。全体としては、各主題に関する理論や歴史を解説する講義回と、それを現実的・実践的な問題に応用して考察する回を交互に交えながら進める予定である。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション |
本講義の目標と方針を理解する |
第2回 | 倫理学の基礎概念 |
倫理学の基礎となる諸概念を理解する |
第3回 | 「責任」とはなにか |
「責任」概念を原理的な次元で理解する |
第4回 | テクノロジーの発展と「責任」概念の変容 |
テクノロジーの発展による「責任」の変化について、具体的事象に即して考える |
第5回 | 「技術」とはなにか |
「技術」」概念を原理的な次元で理解する |
第6回 | テクノロジーと全体主義 |
「テクノロジー」の負の側面について、具体的事象に即して考える |
第7回 | 「人間の条件」の歴史 |
「人間の条件」の変遷を長い歴史的展望の下で理解する |
第8回 | 現代における「人間の条件」 |
現代における「人間の条件」の具体的な変化について考える |
第9回 | 世代間倫理 |
未来世代に対する倫理的責任が成立する根拠について理解する |
第10回 | 環境倫理 |
世代間倫理の原理を環境問題に応用して考える |
第11回 | 生政治 |
「生政治」を技術倫理的観点から理解する |
第12回 | パンデミックの倫理学 |
パンデミックへの対応について、「生政治」の観点から考える |
第13回 | 「人新世」における科学と技術 |
現代と近未来の世界について、科学技術倫理の観点から包括的に考える |
第14回 | 総括・テスト |
講義全体をふり返り理解を深める |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特に指定しない。
参考書、講義資料等
講義資料は各回の授業で配布する。参考文献についても講義内で適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準
テスト(60%)、授業への積極的貢献度(40%)
関連する科目
- LAH.T105 : 科学技術倫理A
- LAH.T206 : 科学技術倫理B
履修の条件・注意事項
特になし。