2023年度 学院等開講科目 物質理工学院 材料系
誘電体材料科学
- 開講元
- 材料系
- 担当教員
- 保科 拓也
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火5-6 (S7-202) / 金5-6 (S7-202)
- クラス
- -
- 科目コード
- MAT.C306
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
物質の誘電性を記述するための基本的変数(電界、電束密度、分極、双極子モーメントなど)の概念と定義の解説から、本講義はスタートします。次に誘電体を理解する上でもっとも重要な変数である分極について、発現機構や周波数依存性などを詳しく解説します。電子分極率を理解するには、原子にかかる局所場を理解する必要があります。本講義では、古典的な概念であるローレンツ場について説明します。さらに、微視的な物理量である電子分極率と巨視的な物理量である誘電率を結ぶクラジウス・モソティの式を解説します。講義の後半では、誘電率が周波数で変化する誘電分散について詳しく解説し、さらに、圧電体、焦電体、強誘電体の材料科学と応用について紹介します。
到達目標
本講義を履修することによって,セラミックス誘電体の基礎と応用を理解することを目的とします。物質の誘電性を記述する物理変数の意味を理解し、さらに、分極の発現機構を材料科学の観点で把握することで誘電体の応用を考えることができるようになることを到達目標とします。
キーワード
誘電体、分極、誘電緩和、複素誘電率、強誘電性、圧電性
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
一般的な形式で講義を行う。講義資料を必要に応じて配布する。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 電気伝導度による物質の分類、基本的な変数 | 電気伝導度による物質の分類および基本的な変数の理解 |
第2回 | 分極の種類:電子分極、イオン分極、双極子分極、界面分極 | 分極の種類の理解 |
第3回 | 誘電体内部の平均電場と外部電場、ローレンツの局所場 | 誘電体内部の平均電場と外部電場、ローレンツの局所場を理解する |
第4回 | 電子分極と電子分極率 | 電子分極と電子分極率の理解 |
第5回 | クラジウス・モソティの式 | クラジウス・モソティの式の理解 |
第6回 | 複素誘電率、誘電体の等価回路 | 複素誘電率、誘電体の等価回路の意味を理解する |
第7回 | 電子分極の周波数応答 | 電子分極の周波数応答を理解する |
第8回 | イオン分極の周波数応答 | イオン分極の周波数応答を理解する |
第9回 | 双極子分極とその周波数依存性 | 双極子分極とその周波数依存性を理解する |
第10回 | 界面分極とその周波数依存性 | 界面分極とその周波数依存性を理解する |
第11回 | 強誘電体 | 強誘電体について理解する |
第12回 | 圧電体 | 圧電体について理解する |
第13回 | 誘電体の用途 | 誘電体や強誘電体がどのように応用されているのか理解する |
第14回 | チタン酸バリウムの誘電分極機構、誘電材料の設計 | チタン酸バリウムの誘電分極機構、誘電材料の設計について学ぶ |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね30分を目安に行うこと。
教科書
特に指定しない
参考書、講義資料等
キッテル 固体物理学入門 第8版〈下〉丸善出版
成績評価の方法及び基準
期末テストにより評価する。
関連する科目
- MAT.C202 : 結晶とフォノン
- MAT.C302 : 分光学
履修の条件・注意事項
特になし
連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
hoshina.t.aa[at]m.titech.ac.jp
オフィスアワー
講義日の午後