2023年度 学院等開講科目 工学院 情報通信系 情報通信コース
多次元情報処理
- 開講元
- 情報通信コース
- 担当教員
- 宮田 高道
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 集中講義等
- クラス
- -
- 科目コード
- ICT.S403
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
本講義は多次元情報処理における処理技術を学ぶことを目的としている.具体的なトピックとしては,画像符号化(エントロピー符号化,量子化誤算の解析,KLT (Karhunen-Loeve transform), DCT (Discrete Cosine Transform)), 画像処理における最新の手法(画像領域分割,カラー化,画像編集,画像リターゲティング),および凸最適化を用いた画像復元(凸集合,凸関数,凸最適化の数値アルゴリズム,画像復元における様々な正則化)などが挙げられる.本講義の目的は,受講した学生が実際の多次元情報処理問題からその本質を捉えた数学的問題を抽出し,数学的道具によって当該問題を解くことを可能とすることである.
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を獲得する.
1. 画像符号化の基礎を理解する.
2. 実際の画像処理の問題から数学的問題を抽出する方法を説明できる.
3. 凸最適化の基礎を理解する.
4. 様々な多次元情報処理の課題に数学的道具を応用できる.
キーワード
信号処理,画像処理,凸最適化
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
事前に全講義資料を公開しておくので,学生は事前に予習しておくこと.講義では各回のポイントを説明し,課題の理解を深める.
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | ガイダンス-多次元情報処理と社会の関わり | 講義の目的を理解する |
第2回 | 量子化,サンプリング,サンプリング定理 | サンプリング定理を理解する |
第3回 | エントロピー,情報源符号化定理 | 符号化の基本を理解する |
第4回 | 量子化,量子化誤差の解析 | 量子化誤差の統計的扱いを理解する |
第5回 | 直交変換,KLT (Karhunen-Loeve transform) | KLTの最適性を理解する |
第6回 | KLTからDCT (Discrete Cosine Transform) | DCTの性質とKLTとの関係を理解する |
第7回 | 固有値問題とその応用,Locally linear embedding, Normalized cuts | 固有値問題の応用について理解する. |
第8回 | Colorization using optimization, Poisson image editing | 簡単な連立方程式にも多くの応用があることを理解する |
第9回 | 画像リターゲティング,Seam carving, Bidirectional similarity | 画像リターゲティングの課題を理解する |
第10回 | 最適化による画像復元1, 最小二乗法,Tikhonovの正則化 | 正則化の必要性と方法を理解する |
第11回 | 最適化による画像復元2, 凸関数,凸集合,勾配降下法 | 凸最適化の基礎を理解する |
第12回 | 最適化による画像復元3, TV正則化法,ノルム,Legendre-Fenchel transform | 複雑な正則化を行う基礎を理解する |
第13回 | 最適化による画像復元4, 混合ノルム,射影勾配法,Chambolleのアルゴリズム | 凸最適化のアルゴリズムを理解する |
第14回 | 射影変換とイメージモザイキング | 3次元画像変換について学ぶ |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
教科書
特に無し
参考書、講義資料等
事前に全講義資料を公開しておく
成績評価の方法及び基準
学習目標の総合的達成度を最新の画像処理研究に関するレポートによって評価する(100%)
関連する科目
- ICT.S206 : 信号とシステム解析
- ZUS.F301 : 関数解析学
- ICT.S414 : 信号処理特論 (情報通信)
履修の条件・注意事項
特に無し
その他
2023年度は集中講義(8/21[3-8時限], 8/22[3-8時限], 8/28[3-8時限], 8/29[3-8時限], 9/11[3-6時限])の形式で開講予定