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2023年度 学院等開講科目 理学院 数学系 数学コース

数学最先端特別講義K

開講元
数学コース
担当教員
星野 壮登 / 二宮 祥一
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等 (本館2階201数学系セミナー室)
クラス
-
科目コード
MTH.E641
単位数
200
開講時期
2023年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2025年7月8日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義の主要なテーマは,正則性構造理論の解説である.まず,ラフパス理論の基礎を復習し,その確率微分方程式への応用について紹介する.次に,ラフパス理論の拡張として理解できる形で,正則性構造理論の基礎を学習する.最後に,特異確率偏微分方程式の繰り込みへの応用について解説する.

正則性構造理論は多くの確率偏微分方程式に適用できるほど強力なものであるが,多くの抽象的な概念が登場し,初学者にとっては理解しにくいものである.本講義では,この理論を理解するのに必要となる,ラフパス理論,Hopf代数,繰り込みなどの基本的な概念を丁寧に解説していく.





到達目標

・特異確率偏微分方程式の繰り込みについて理解すること
・ラフパス理論や正則性構造理論の要点を理解すること
・正則性構造理論の記述に必要となる代数的な概念を理解すること
・正則性構造理論の特異確率偏微分方程式への応用を理解すること

キーワード

特異確率偏微分方程式, 正則性構造理論,ラフパス理論,分枝ラフパス,Hopf代数,正則性構造,model, modelled distribution, reconstruction, rooted decorated tree, BPHZ model

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 以下の内容を順に解説する予定である. ・特異確率偏微分方程式の例 ・ラフパス理論の基礎 ・分枝ラフパスの定義 ・Hopf代数と分枝ラフパスの関係 ・正則性構造理論の概略 ・正則性構造,model,modelled distributionの定義 ・Reconstruction theorem ・Modelの繰り込みの一般論 ・Modelの繰り込みとSPDEの繰り込みの関係 ・BPHZ modelの定義 ・BPHZ modelの収束のための十分条件 講義中に指示する

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

教科書

使用しない

参考書、講義資料等

M. Hairer, ""A theory of regularity structures"", Invent, Math. 198 (2014), 269–504.
Y. Bruned, M. Hairer and L. Zambotti, ""Algebraic renormalisation of regularity structures"", Invent. Math, 215 (2019), 1039–1156.

成績評価の方法及び基準

レポート課題(100%)による.

関連する科目

  • MTH.C341 : 微分方程式概論第一
  • MTH.C342 : 微分方程式概論第二

履修の条件・注意事項

無い