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2023年度 学院等開講科目 理学院 物理学系

計算物理

開講元
物理学系
担当教員
関澤 一之
授業形態
講義/演習 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
火7-8 (南4号館, 情報ネットワーク演習室, 第2演習室) / 金7-8 (南4号館, 情報ネットワーク演習室, 第2演習室)
クラス
-
科目コード
PHY.L210
単位数
110
開講時期
2023年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年7月8日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

数値計算によって方程式を解き、現象を理解するための基礎知識と技術、注意点等を講義する。
実際のプログラミングを通じ、第一線の研究でも用いられるプログラミング・数値計算技法を教える。
その上で、物理学における計算機の役割の一端を担う、微分方程式の数値的な解法や、初歩的なデータ解析の手法について講義する。

到達目標

【到達目標】現代物理学において実験・理論と並び主要な方法となっている数値計算の基礎を学び、実際のプログラム作成を通じて応用する力を身につける。
【テーマ】プログラミング言語、数値積分、微分方程式の数値解法、データ処理といったテーマを扱う。

キーワード

プログラミング言語、数値積分、微分方程式の数値解法、データ処理、数値シミュレーション

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

各講義の1/3程度は、概念や必要知識等、講義のポイントとなる部分の解説にあてる。残り2/3は実習にあてる。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 計算環境の準備 共用のPCあるいは自身のPCに計算環境を整える。
第2回 Unix/Fortran入門 Unixの基礎知識を習得する。簡単なFortranプログラムを作成し、基本的な動作を確認する。
第3回 差分法の導入:1次元拡散方程式 差分法によってどのように微分方程式を解くのか、その原理を理解する。
第4回 差分法と数値精度:1次元移流方程式 1次元移流方程式を数値的に解き、様々な差分スキームの精度と計算の安定性を分析する。
第5回 数値流体力学への招待 I:渦度方程式とカルマン渦列 数値流体力学(CFD)の基本知識を習得する。渦度方程式を理解する。
第6回 数値流体力学への招待 II:渦度方程式とカルマン渦列 2次元の渦度方程式を数値的に解き、カルマン渦列を生成する。
第7回 時間に依存しないシュレーディンガー方程式の数値解法 I:ヌメロフ法 水素原子の電子波動関数を記述するシュレーディンガー方程式とヌメロフ法を理解する。
第8回 時間に依存しないシュレーディンガー方程式の数値解法 II:ヌメロフ法 ヌメロフ法を用いて動径方向のシュレーディンガー方程式を数値的に解き、水素原子の電子波動関数を求める。
第9回 時間に依存しないシュレーディンガー方程式の数値解法 III:行列対角化 シュレーディンガー方程式の行列表示を理解する。
第10回 時間に依存しないシュレーディンガー方程式の数値解法 IV:行列対角化 LAPACKを用いてハミルトニアン行列を数値的に対角化し、1次元のシュレーディンガー方程式に対する固有値と固有ベクトルを求める。
第11回 時間依存シュレーディンガー方程式の数値解法:テイラー展開法 時間依存シュレーディンガー方程式に対するテイラー展開法を理解する。
第12回 時間依存シュレーディンガー方程式の数値解法:テイラー展開法 テイラー展開法を用いて1次元時間依存シュレーディンガー方程式を数値的に解き、ポテンシャルに散乱される波束の時間発展を求める。
第13回 量子流体力学への招待 I:時間依存グロス・ピタエフスキー方程式 超流動体を記述するグロス・ピタエフスキー方程式(TDGPE)を理解する。また、1次元TDGPEを解き、ダークソリトンを生成する。
第14回 量子流体力学への招待 II:トポロジカルな励起と関連する物理現象 超流動体に発現するトポロジカルな励起モードの性質を理解する。また、ソリトン励起や量子渦など、超流動体のトポロジカルな励起が関係する様々な物理現象を知る。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

担当教員が配布するもの。

参考書、講義資料等

特に指定しない。

成績評価の方法及び基準

月一回程度のレポートによる

関連する科目

  • PHY.Q207 : 量子力学入門
  • LAS.M106 : 線形代数学第二

履修の条件・注意事項

履修の条件を設けない。

連絡先 (メール、電話番号) ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

関澤一之

sekizawa at phys.titech.ac.jp

2463

オフィスアワー

Slackやメール等で質問してもらえればいつでも対応します。