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2022年度 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系 原子核工学コース

加速器・放射線応用

開講元
原子核工学コース
担当教員
小栗 慶之 / 片渕 竜也
授業形態
講義 (ライブ型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
木1-2 (原講571)
クラス
-
科目コード
NCL.A404
単位数
100
開講時期
2022年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義では加速器及び放射性同位元素から得られる放射線の工業,医療,農業,基礎科学等への応用について論ずる。これらの技術の原理だけでなく,これらが実際の応用の場面でどのように使われているかの解説にも重点を置く。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する:
1. 放射線と物質の相互作用に基づく様々な応用技術の基本原理を説明できる.
2. 原子力の重要な要素である放射線応用技術に関する最近の動向を把握できる.
3. 近代社会におけるこの科学技術の重要性を理解できる.

キーワード

加速器,放射性同位元素,医学利用,材料科学,放射線・物質相互作用,原子核反応,工業利用,イオンビーム,中性子ビーム,電子ビーム,X線

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

講義はオンラインで配布したスライドに基づいて行う.各回の終りに小テストを実施する.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 放射性同位元素の製造とその利用 放射性同位元素の製造法とその利用について説明できる.
第2回 中性子捕捉療法 中性子捕捉療法の原理、及びその特長について説明できる.
第3回 中性子ビームの産業利用 中性子ビームの産業利用について説明できる.
第4回 加速器を用いた長寿命放射性核種の核変換処理 加速器を用いた長寿命放射性核種の核変換処理の原理,及びその特長について説明できる.
第5回 イオンビームを用いた材料の特性評価 RBS(ラザフォード後方散乱分析),PIXE(荷電粒子励起X線放出分析),ERDA(弾性反跳検出分析),NRA(核反応分析)による材料の特性評価の基本原理について説明できる.
第6回 (1) イオン注入 (2) 重粒子線ガン治療 (3) 非破壊検査 (1) イオン注入による材料加工の原理,及びその特長について説明できる. (2) 高エネルギー重イオンビームを用いたガン治療の原理,及びその特長について説明できる. (3) 高エネルギー光子による厚い試料の非破壊検査技術について説明できる.
第7回 (1) 高分子材料の改質加工 (2) 食品照射 (3) 害虫の根絶駆除 (1) 放射線化学反応による高分子材料の改質加工について説明できる. (2) 滅菌及び発芽防止のための食品照射について説明できる. (3) 放射線による不妊化を用いた害虫の根絶駆除技術について説明できる.

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特に指定なし

参考書、講義資料等

【講義資料】:
講義資料はT2SCHOLAから入手できる。
【参考書】:
Wolfgang Sauerwein,‎ Andrea Wittig,‎ Raymond Moss and‎ Yoshinobu Nakagawa (Editors), "Neutron Capture Therapy: Principles and Applications", Springer, ISBN-13: 978-3642313332 (2012).
Michael Nastasi,‎ James W. Mayer and‎ Yongqiang Wang, "Ion Beam Analysis: Fundamentals and Applications", CRC Press, ISBN-13: 978-1439846384 (2014).
Arabinda Kumar Rath and‎ Narayan Sahoo (Editors), "Particle Radiotherapy: Emerging Technology for Treatment of Cancer", Springer, ISBN-13: 978-8132226215 (2016).
R. Halmshaw, "Industrial Radiology: Theory and practice (Non-Destructive Evaluation Series)", Springer, ISBN-13: 978-0412627804 (1995).

成績評価の方法及び基準

各回授業の最後に実施する小テストにより成績評価を行う。

関連する科目

  • NCL.N401 : 原子核物理基礎
  • NCL.N402 : 中性子輸送理論
  • NCL.A403 : 加速器工学

履修の条件・注意事項

「NCL.N401: 原子核物理基礎」,「NCL.N402: 中性子輸送理論」,及び「NCL.A403: 加速器工学」を履修していること,または同等の知識があること。