2022年度 学院等開講科目 理学院 物理学系 物理学コース
物理学特論第八
- 開講元
- 物理学コース
- 担当教員
- 大関 真之
- 授業形態
- 講義 (ライブ型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 集中講義等
- クラス
- -
- 科目コード
- PHY.P558
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2022年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
量子コンピュータの理論的・実験的研究の成熟とともに、その分野への興味関心が高まりつつある。
その中で学問上で意外な接点を持つのが統計力学である。
組合せ最適化問題を解く量子アニーリングは、解くのに必要な計算量は、対象となる系の量子相転移と関係する。
量子誤り訂正符号は、スピングラス模型のフラストレーションとゲージ変換と関係する。
測定型量子計算は、その性質を調べるために古典スピン系の分配関数を利用する。
量子ランダム回路は、その典型的性能は古典スピングラス模型との対応が知られている。
こうした量子コンピュータを研究する上で、統計力学との対応関係は見逃せないものとなっている。
本講義では、そうした様々な接点について紹介し量子コンピュータを理解する上で必要な統計力学の知見を学んでいく。
到達目標
量子コンピュータを統計力学の側面から理解できるようになる。
キーワード
量子コンピュータ、量子アニーリング、統計力学、古典スピン系、スピングラス
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
講義を主体に行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 量子力学・統計力学の振り返り | 各種計算の確認 |
第2回 | 双対性による相転移の計算 | 各種計算の確認 |
第3回 | スピングラスとゲージ変換 | 各種計算の確認 |
第4回 | 量子誤り訂正符号とスピングラス | 各種計算の確認 |
第5回 | 測定型量子計算と分配関数 | 各種計算の確認 |
第6回 | ランダム量子回路とレプリカ法 | 各種計算の確認 |
第7回 | いくつかの進展 | 各種計算の確認 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
教科書
スピングラスと情報統計力学
観測に基づく量子計算
参考書、講義資料等
適宜配布する。
成績評価の方法及び基準
主にレポートによる
関連する科目
- PHY.S301 : 統計力学
- PHY.S312 : 統計力学II
- PHY.S440 : 統計力学Ⅲ
- PHY.Q207 : 量子力学入門(講義)
- PHY.Q208 : 量子力学II(講義)
- PHY.Q311 : 量子力学III(講義)
履修の条件・注意事項
統計力学の基礎を理解していること