2022年度 学院等開講科目 理学院 数学系 数学コース
数学最先端特別講義E
- 開講元
- 数学コース
- 担当教員
- 須川 敏幸 / 藤川 英華
- 授業形態
- 講義 (ライブ型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 集中講義等
- クラス
- -
- 科目コード
- MTH.E635
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2022年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
平面擬等角写像の入門的講義を行う.擬等角写像は等角写像を一般化した概念であり,古典的な函数論のみならず,複素力学系やクライン群,タイヒミュラー空間論などで重要な役割を果たす.その定義から擬等角写像は人工的にも見えるが,実は非常に自然に現れる対象である.本講義では,擬等角写像の定義や基本的な性質を概説した後,最も基本的な存在定理である可測型リーマン写像定理を証明する.時間があればラムダ補題やタイヒミュラー空間の話題にも触れる.
擬等角写像およびその存在定理を理解するためには,測度論や極値的長さ,特異積分作用素の理論など高度な解析学の知識が要求される.したがって,擬等角写像の理論を知ることは,それらの高度な数学理論がどのように適用されるのかを理解するための良い機会にもなるであろう.
到達目標
・擬等角写像の定義を理解し,与えられた写像が擬等角であるかどうか判定できるようになる.
・可測型リーマン写像定理の証明を理解する.
・擬等角写像の応用例を知る.
キーワード
擬等角写像,極値的長さ,ベルトラミ方程式,可測型リーマン写像定理
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
集中講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 以下の内容について解説する. ・等角写像と(滑らかな)擬等角写像 ・四稜形のモジュラスと擬等角写像の幾何的定義 ・極値的長さ ・擬等角写像の解析的定義と複素歪曲度 ・平面上のベルトラミ方程式の解法(可測型リーマン写像定理の証明) ・ラムダ補題 ・普遍タイヒミュラー空間 | レポート課題は講義中に随時出題する. |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
使用しない
参考書、講義資料等
参考書:アールフォルス 著(谷口雅彦 訳)「擬等角写像講義」,丸善出版
参考書:谷口雅彦 著「フラクタル曲線についての解析学―擬等角写像外伝」,培風館
成績評価の方法及び基準
レポート課題(100%)による.
関連する科目
- なし
履修の条件・注意事項
特になし