2022年度 学院等開講科目 理学院 数学系 数学コース
数学最先端特別講義D
- 開講元
- 数学コース
- 担当教員
- 新田 泰文 / 本多 宣博
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 集中講義等 (本館2階数学系201セミナー室)
- クラス
- -
- 科目コード
- MTH.E634
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2022年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
Kähler幾何においてKähler-Einstein計量やスカラー曲率一定Kähler計量 (cscK計量) といった標準Kähler計量の存在問題は基本的な問題の一つであり, 今なお研究が進んでいる. この講義では, 最近ScarpaとStoppaが導入したHcscK計量という新しい標準Kähler計量の存在問題及び関連する問題について解説する. その基本的事項を理解することが本講義の狙いである.
到達目標
・Kähler多様体の定義及びその基本的事項を修得すること
・曲率の概念に親しむこと
・スカラー曲率を運動量写像とみなせることを理解すること
・HcscK系及びHcscK計量の定義と基本的性質を理解すること
キーワード
Kähler多様体, cscK計量, 超Kähler多様体, 超Kähler運動量写像, HcscK系, HcscK計量, K-安定性
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
通常の講義形式で行う. また, 適宜レポート課題を出す.
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 概ね以下の内容を順に解説する予定である. ・Kähler多様体の基本事項 ・Kähler多様体の曲率, cscK計量 ・藤木-Donaldsonの運動量写像描像 ・余接束の超Kähler構造と超Kähler運動量写像 ・HcscK系とHcscK計量 ・安定性との関係 (時間があれば) | 講義中に指示する |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし
参考書、講義資料等
Carlo Scarpa, The Hitchin-cscK system, PhD Thesis, Scuola Internazionale Superiore di Studi Avanzati
(またはarXiv:2010.07728)
成績評価の方法及び基準
レポート課題(100%)による.
関連する科目
- MTH.B301 : 幾何学第一
- MTH.B302 : 幾何学第二
- MTH.B331 : 幾何学続論
- MTH.C301 : 複素解析第一
- MTH.C302 : 複素解析第二
履修の条件・注意事項
上記「関連する科目」についてよく理解していることが期待される