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2020年度 学院等開講科目 物質理工学院 材料系 原子核工学コース

原子力安全と倫理

開講元
原子核工学コース
担当教員
加藤 之貴 / 相樂 洋 / 大場 恭子 / 吉澤 厚文
授業形態
講義 (ZOOM)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
火1-2 (原講571, North Bidg. 2, 5F-571)
クラス
-
科目コード
NCL.F401
単位数
100
開講時期
2020年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要


本講義では,単に講義にとどまらず,その後における向上目標につながる「なぜ倫理を学び,習得しなければならないのか」を重視しながら,原子力に関わる研究,開発,実務において,必要な倫理について学ぶ。
倫理的意思決定のあり方,またその意思決定に基づいた行動を取るためになにが必要なのかを,研究,開発,実務それぞれのフェーズにおける仮想事例,実事例を交えながら講義することで,原子力技術の社会との関係も理解し,原子力技術の担い手として,その責任をいかに果たせば良いかの習得を目指す。
講義は,倫理的な科学者・技術者としての行動実践を目指していることから,一方的な講義形式ではなく,学生同士のグループディスカッションや講師と学生感の双方向ディスカッション(クラスディスカッション)を重視しており,受講生自らが考える時間をできるだけ多く持つ予定である。

到達目標

本講義を履修することによって,次の知識および能力を習得する。
①原子力技術が,どのような価値(考え)によって開発・発展してきたのかを理解する。
②倫理的意思決定の方法を理解し,それを事例において実践できる。
③自らが倫理観をもつことの必要性と重要性を理解し,自らがどのように責任を果たすべきかを自らの言葉で語ることができる。

キーワード

科学者倫理,技術者倫理,事例研究,リスクコミュニケション,アウトリーチ活動,レジリエンスエンジニアリング,安全文化

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

講義形式とディスカッション形式を織り交ぜて行う。内容によって,講義形式が主となる回,ディスカッション形式が主となる回があるが,全体では,講義形式が6割程度を予定している。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 本講義の概要と狙い(研究開発および安全文化,セキュリティー文化における倫理) 研究開発および安全文化,セキュリティー文化における倫理ができる
第2回 原子力開発において重視すべき価値と倫理的意思決定の方法  学会倫理規程,セブン・ステップ・ガイド 原子力開発において重視すべき価値と倫理的意思決定ができる
第3回 原子力と倫理の歴史①  原爆開発,平和利用における研究等開発 原爆開発,平和利用における研究等開発が説明できる。
第4回 原子力と倫理の歴史②  TMI,チェルノブイリ,JCO等事故および不祥事 TMI,チェルノブイリ,JCO等事故および不祥事が説明できる。
第5回 福島第一原子力発電所事故とレジリエンス・エンジニアリング①  事故は防ぐことができたのか 福島第一原子力発電所事故のレジリエンス・エンジニアリングが説明できる。
第6回 福島第一原子力発電所事故とレジリエンス・エンジニアリング②  事故からの学び 福島第一原子力発電所事故からの学んだことを説明できる
第7回 原子力技術におけるリスクとアウトリーチ活動 原子力技術におけるリスクとアウトリーチ活動が説明できる。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

指定なし。ただし,多くの学協会や技術者などが関連する書籍等をしており,是非自らにあったものの一読を希望する。

参考書、講義資料等

講義資料は,pptの抜粋等,必要なものを適宜提供する。

成績評価の方法及び基準

各回の講義における小レポート(7割)および最終レポート(3割)にて評価する。

関連する科目

  • NCL.F451 : 原子力基礎工学第一
  • NCL.U507 : 原子力国際関係論

履修の条件・注意事項

なし

オフィスアワー

10:00-15:00