2020年度 学院等開講科目 工学院 電気電子系 エネルギーコース
光化学概論第二
- 開講元
- エネルギーコース
- 担当教員
- 長井 圭治 / 宍戸 厚
- 授業形態
- 講義 (ZOOM)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月1-2 (G113)
- クラス
- -
- 科目コード
- ENR.H430
- 単位数
- 100
- 開講時期
- 2020年度
- 開講クォーター
- 2Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 英語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
[講義の概要] 本講義では、光化学を基盤とした太陽光エネルギー変換の基礎学理を学ぶとともに、人工光合成への展開に関して知る。前半では、光化学と光物理の基礎を復習するとともに、太陽光エネルギー変換に必要な素過程を整理する。後半では、素過程の結合と、それによる統合的なエネルギー変換システムの構築を学ぶ。また、今後の人工光合成の展望について学ぶ。
[講義のねらい]太陽光の利用は、エネルギー資源の観点から非常に重要です。基盤となる光化学の素過程の理解に加えて,それらを合目的に組み合わせる統合(integration)の考え方になれることを目的とします。そのために必要な実験的手法の理解や、変換効率の計算もできるようにしましょう。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1) 光化学の素過程を列挙できる。
(2) 光誘起電子移動反応とエネルギー移動反応を説明できる。
(3) 光エネルギー変換システムの構築に必要な要素を統合することを説明できる。
(4) 光触媒や人工光合成の評価方法を説明でき、変換効率を計算できる。
(5) 光エネルギー変換の未来に関してビジョンをもつ。
キーワード
太陽光エネルギー変換、統合技術、人工光合成、光誘起電子移動、エネルギー移動、変換効率
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説する。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組む。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 光化学の素過程 | 光化学概論第一で学んだ重要な点、特にJabronski diagramを説明できる。 |
第2回 | 太陽光のスペクトル | 光の放射、太陽光のスペクトルについて説明できる。 |
第3回 | 太陽光をどう集めるか? | 光吸収の原理と、太陽光を効率よく吸収するための方法を説明できる。 |
第4回 | どうアウトプットするか? | 吸熱反応型の光化学反応の例をあげ、その原理を説明できる。 |
第5回 | どうつなぐか? | エネルギー移動、電子移動の原理を説明し、その例を挙げることができる。 |
第6回 | 光合成ではどうしているか? | 天然の光合成の素過程を分析し、どのように電子移動が統合しているか説明できる。 |
第7回 | 人工光合成はどこまで進んでいるのか? | いくつかの人工光合成の例を述べ、定量的に議論できる。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし。
参考書、講義資料等
Principles of Molecular Photochemistry -An Introduction- by N. J. Turro, V. Ramamuthy, J.C. Scaiano, University Science Books,
分子光化学の原理, 井上晴夫・伊藤攻 監訳 丸善出版 (上記の訳本)
光化学I, 井上晴夫ら, 丸善出版
夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か 講談社ブルーバックス
成績評価の方法及び基準
理解度をレポート(50%)および演習(50%)にて評価する。
関連する科目
- ENR.H420 : 光化学概論第一
- CAP.T401 : 高分子化学概論第一
- CAP.T402 : 高分子物理概論第一
- ENR.H501 : エネルギー化学材料特論第一
- ENR.H413 : エネルギー高分子機能特論第一
- ENR.H503 : エネルギー高分子設計特論
- ENR.I510 : 固体光物性特論
- MAT.P401 : 有機光学材料物理
- MAT.C500 : 光学材料特論
- EEE.S461 : 光通信システム
履修の条件・注意事項
Jablonski diagramを理解していること(光化学概論第一で学ぶ重要事項)