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2020年度 学院等開講科目 理学院 数学系 数学コース

数学特別講義D

開講元
数学コース
担当教員
植田 一石
授業形態
講義 (ZOOM)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等 (Zoom)
クラス
-
科目コード
MTH.E434
単位数
200
開講時期
2020年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2025年7月10日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義では、まず多様体上の概複素構造とその積分可能性について述べた後、代数多様体の定義や関手的な見方について議論する。次にシンプレクティック幾何の初歩を解説し、複素幾何との関係をG構造の言葉で整理する。連接層の導来圏や深谷圏について簡単な導入を行った後、ミラー対称性に関わる様々な予想について、それらの主張と知られている結果について紹介する。時間が許せば特殊Lagrangeトーラスファイバー束の底空間に現れるHesse構造や、トロピカル幾何などにも触れる。
 ミラー対称性は超弦理論に由来する数学的な現象で、ある空間の複素幾何と、そのミラーと呼ばれる空間のシンプレクティック幾何の間に不思議な関係があることを指す。本講義では、複素幾何とシンプレクティック幾何がどのように似ていて、それにも関わらず違っていて、その上でミラー対称性が表面的な類似と相違を超えた深いレベルでそれらの間に関係をつけることを、なるべく予備知識を仮定せずに紹介したい。

到達目標

・複素多様体および代数多様体の定義を理解すること
・シンプレクティック幾何における基本的な定義や定理を、古典力学からの動機まで込めて理解すること
・複素幾何、シンプレクティック幾何とRiemann幾何の関係をG構造の観点から理解すること
・連接層の導来圏や深谷圏の具体的な記述の例を知ること
・ミラー対称性に関わる様々な現象について学ぶこと

キーワード

複素多様体、代数多様体、シンプレクティック幾何、G構造の幾何学、Calabi-Yau多様体、連接層の導来圏、深谷圏、ミラー対称性

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方


通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 以下の内容を順に解説する予定である. ・複素多様体および代数多様体の定義と例 ・シンプレクティック多様体の定義と例 ・Hamiltonの運動方程式、Noetherの定理、Liouville-Arnoldの定理 ・G構造とその積分可能性、Kaehler多様体およびCalabi-Yau多様体の定義と例 ・連接層の導来圏、Lagrange交叉Floer理論と深谷圏 ・ミラー対称性とその周辺 講義中に指示する

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

教科書

使用しない

参考書、講義資料等

講義ノートは下記から入手可能
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~kazushi/course/tit2020.pdf

成績評価の方法及び基準

レポート課題(100%)による.

関連する科目

  • MTH.E640 : 数学最先端特別講義J
  • ZUA.E334 : 数学特殊講義D

履修の条件・注意事項

特になし

その他

特になし