2020年度 学院等開講科目 理学院 物理学系
物性物理学I
- 開講元
- 物理学系
- 担当教員
- 平原 徹 / 平山 博之
- 授業形態
- 講義 (ZOOM)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火3-4 (H116) / 金3-4 (H116)
- クラス
- -
- 科目コード
- PHY.C341
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2020年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年7月10日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
下記の到達目標に従い、局在モーメントが示す磁性、金属系の電気伝導の量子論、半導体物性とトポロジカル絶縁体、超伝導、表面物理学、レーザーの原理と冷却原子系について、基本的事項を解説する。
本講義を通して、物性物理学の対象となる様々な物質において起こる新奇な現象と、その背景にある基本的な物理的概念を学習する。
到達目標
物質の多様な性質を解き明かす物性物理学が扱う分野と研究対象は多岐にわたっている。各種の先端科学・技術の基盤となっている物性物理学の諸分野について、基本的事項を理解することを目指す。
キーワード
磁性、半導体物理学、表面物理学、金属、レーザーと光学、超伝導と低温物理学、冷却原子系
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
授業計画に記載されている下記の事項のいくつかを取り上げ、講義を行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 交換相互作用 | 交換相互作用とは何か説明せよ. |
第2回 | 局在磁気モーメントと磁性 | 局在磁気モーメントと磁性について述べよ. |
第3回 | 電気伝導 | 固体の電気伝導は、一体どのような要因によって決まっているのかを理解する。 |
第4回 | ランダウアーの理論とコンダクタンスの量子化 | 極微細線に現われるコンダクタンスの量子化現象を、ランダウアー公式に基づき理解する。 |
第5回 | エネルギーバンドと有効質量近似 | 固体のバンド構造の解析に関する、有効質量近似の使い方を理解する。 |
第6回 | 半導体における電気伝導 | 半導体に特有な、pn接合における電気伝導特性を理解する。 |
第7回 | 化合物半導体と量子井戸構造 | 化合物半導体のバンドギャップエンジニアリングと、これを利用した量子井戸について理解する。 |
第8回 | トポロジカル絶縁体 | トポロジカル絶縁体とはなにか、またこれに特徴的なエッジ状態に関する基礎的事項を理解する。 |
第9回 | 低温物理学と超伝導 | 低温物理学の意義と超伝導について説明せよ. |
第10回 | 超伝導物質と超伝導機構 | 超伝導物質と超伝導機構について述べよ. |
第11回 | 結晶表面の構造と電子状態 | 固体表面に現われる表面原子の再構成構造や、表面電子準位の特徴を理解する。 |
第12回 | 表面解析法 | 電子線回折法、走査トンネル顕微鏡、角度分解光電子分光などの基礎を理解する。 |
第13回 | レーザー発振・物理学におけるレーザー光の利用 | レーザー発振について説明せよ. |
第14回 | 冷却原子系 | 冷却原子系の特徴を説明せよ. |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
必要な講義資料は授業中に配布する。
参考書、講義資料等
〔平山〕: J. H. Davies, The Physics of Low-dimensional Semiconductors: an introduction, Cambridge (1988).
〔平原〕: 望月/鈴木、「固体の電子状態と磁性」、大学教育出版(2005)
家、「超伝導」、朝倉物性物理シリーズ(2005)
作道、「固体物理ー磁性・超伝導」、裳華房(2016)
成績評価の方法及び基準
期末試験等による
関連する科目
- PHY.C340 : 基礎固体物理学
- ZUB.Q204 : 量子力学第一
- ZUB.S205 : 熱・統計力学第一
- PHY.C342 : 物性物理学II
履修の条件・注意事項
量子力学第一、熱・統計物理学第一、基礎固体物理学を履修していること。