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2024年度 学位プログラムとして特別に設けた教育課程 学位プログラムとして特別に設けた教育課程 エネルギー・情報卓越教育課程

エネルギー計算化学演習

開講元
エネルギー・情報卓越教育課程
担当教員
MANZHOS SERGEI
授業形態
演習 (ハイフレックス型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
月1-2 (W5-104)
クラス
-
科目コード
ENI.I402
単位数
010
開講時期
2024年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2025年3月14日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

この講義では、太陽電池や燃料電池、蓄電池などの再生可能エネルギーデバイスに用いられる機能性材料の機構的洞察を得るために必要となる、計算材料科学における手法やツールについて概説する。特に、密度汎関数理論(DFT)ベースでの材料モデリングに焦点を当て、分子吸着やイオン伝導、振動スペクトルなどの重要な現象を対象とする。学生は、様々な近似の適切性を理解すると同時に、DFT手法やソフトウエアを用いてシミュレーションを実行する方法ついても学ぶ。本講義では以下のトピックを含む

1) 太陽電池、燃料電池、蓄電池などの技術に用いられる機能性材料における特性や現象のまとめ。これらの現象のモデリングが機能性材料の理解と設計において重要であることへの理解。
2) Ab initio (第一原理)観点の導入とそれらから派生する電子構造や力場(フォースフィールド)ベースのさまざまな計算手法の概説。これらの手法が計算可能、および計算不可能な特性についての理解。
3) DFT理論の基礎、および、コンピューターによるアプローチの導入。材料モデリングにむけたDFTソフトウエアの導入。構造最適化や、拡散バリア、バンド構造、吸着特性、光学特性、振動特性、などへ向けたDFT計算の概説。
4) 固体状態イオン伝導体材料や不均一触媒においてDFT計算から得られる機構的洞察の理解。
5) 分子動力学法(MD)の基礎の理解およびAb initio分子動力学法(AIMD)の導入。

学生は自分自身のコンピューターにおいて、マスタークラス形式による演習を行う。このコースは最大40名の学生が受講でき、エネルギー・情報卓越教育院の学生は優先的に受講することができる。

到達目標

材料科学分野や再生可能エネルギーの発電・蓄電技術における材料モデリングの役割を理解する。基礎的なDFT計算に関する知識を習得する。DFT計算ソフトの使い方、およびそれらを用いた機能性材料における重要な特性の計算から機構的な洞察を得る方法について学ぶ。

キーワード

密度汎関数理論(DFT)、機能性材料、光学特性、振動特性、輸送特性、再生可能エネルギー

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

全て大岡山にて開講され、大岡山キャンパスの学生は原則対面、その他キャンパスの学生はオンラインである。それぞれの授業1回100分は講義(授業時間の1/3~1/2程度)・演習(1/2~2/3程度)・フィードバック(おおよそ15分程度)で構成される。講義のほとんどはマスタークラスとして展開される(教授がコンピューター上で行った手順を学生が繰り返すことになる)。演習は講義中に導入された手法・計算ツールを用いて、材料特性を計算することを含む。それぞれの講義中にクイズが実施され、それらの結果からのフィードバックに基づき、学生の授業への理解度を測ると同時に、教授による授業内容の調整が行われる予定である。

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 太陽電池や燃料電池、蓄電池などの技術に用いられる機能性材料における重要な特性や現象についての概要。機能性材料の理解、および設計にむけてこれらの現象をモデリングすることの重要性を理解する。Ab initio(第一原理)の観点を導入し、Ab initioや力場(フォースフィールド)などの特定のモデリング手法が生まれるのかの説明。これらの手法が計算可能、または計算不可能な事象の概説。 課題 1:DFTソフトや、関連する材料モデリングにおけるGUIソフトの導入。 学生は、幾つかの技術(燃料電池、太陽電池、蓄電池)と材料特性との関連性について学ぶ。実験に基づく理解の限界、および特性計算(分子吸着、光学特性、バンドエッジ、振動特性、電荷、イオン伝導特性など)の役割と必要性についても学ぶ。どのような特性が力場(フォースフィールド)のレベルでモデリングできるのか、もしくは電子構造レベルの洞察が必要となるのかについても理解する。
第2回 密度汎関数理論(DFT)および計算を用いたDFTのアプローチの導入。固体状態および周期的な系におけるDFT計算の基礎。ブリリアンゾーンサンプリングおよびバンド構造;波動方程式および擬ポテンシャル(pseudo potential)、その他の計算を用いたアプローチおよび固体状態特有の設定方法について学ぶ。 課題 2: Materials Studioを用いたモデルの生成およびDFT計算の導入 DFT理論や重要な近似法、および基底関数や汎関数における妥当なパラメーターの設定方法について学ぶ。また、DFT計算に向けたモデル(シミュレーションセルや界面モデル)の準備方法についても学ぶ。
第3回 DFTを用いた各構造に対する計算;分子、周期性固体、界面、分子ー界面 課題 3: 構造最適化、エネルギー、そして相互作用におけるエネルギーについてDFT計算の実行およびその計算結果の分析。 異なる応用(計算)に向けたシミュレーションの流れや、モデルサイズ、ブリリアンゾーンサンプリング、吸着エネルギーなどの適切あるパラメーター選択について学ぶ。
第4回 AIMDの要素の導入(Ab initio molecular dynamics ; 第一原理分子動力学法)。材料中のイオンーホスト相互作用を例とした、現象における機構的洞察の獲得に向けたDFT計算の活用。 課題 4: 前回の課題における計算の結果を活用し、PDOS(状態密度)や電荷分析を用いて、電極材料中のイオン相互作用のメカニズムについて解析。AIMD計算の設定。 燃料電池や蓄電池中の材料におけるイオンーホスト相互作用のメカニズムの理解に向けた、状態密度や電荷分析の活用方法について学ぶ。計算された特性とデバイス特性との関係性についても学ぶ。また基礎的なAIMDについても知識を身に着ける。
第5回 触媒材料を例としたDFT計算の活用による触媒作用のメカニズム解析。 課題5: 第3回の計算結果を活用し、状態密度や電荷分析から、触媒表面での分子の結合の弱体化メカニズムの解析。 触媒表面でのメカニズムを理解するために状態密度や電荷分析を用いる方法、およびそれらの機構的洞察をデバイス特性と関連させるための手法について学ぶ。
第6回 振動特性および光学特性の計算、そしてそれらの計算の理論的要素についての概説。 課題6: 振動スペクトル、および光学スペクトルのDFT計算、および計算結果の分析。 どのように振動スペクトルや光学スペクトルが発生したのか、またそれらをモデルするための基礎的な理論について学ぶ。同時に、コンピューターを用いた実践的な経験を習得する。
第7回 授業全体、およびコンピューター演習のまとめ 様々な特性とコンピューターによるアプローチがどのように互いに関連しているかについて振り返る。

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

Fundamentals of Materials for Energy and Environmental Sustainability, Eds. D. S. Ginley, D. Cahen, Cambridge University Press, 2011, ISBN:9781107000230

Density Functional Theory: A Practical Introduction, David S. Sholl, Janice A. Steckel, Wiley 2023, ISBN: 978-1-119-84086-2

参考書、講義資料等

T2SCHOLAにより都度配布する。

成績評価の方法及び基準

クイズ、及び計算課題により評価する

関連する科目

  • ESI.B431 : 燃料電池・太陽電池・蓄電電池・エネルギーシステムの最新技術
  • ENI.I401 : エネルギービッグデータ科学演習

履修の条件・注意事項

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