2023年度 学院等開講科目 情報理工学院 数理・計算科学系 数理・計算科学コース
量子計算と量子情報
- 開講元
- 数理・計算科学コース
- 担当教員
- 森 立平
- 授業形態
- 講義
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - クラス
- -
- 科目コード
- MCS.T413
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
近年の量子情報技術の進展により、量子情報処理の基礎の習得は益々重要になっている。本講義では線形代数に基づく量子力学の基礎及び、量子力学を用いた情報処理について扱う。また、量子力学に基づく計算と通信の基礎を学ぶ。
Zoom によるオンライン型授業による集中講義です。
講義日程:
1/4(木) 5,6時限,7,8時限, 9,10時限
1/5(金) 5,6時限,7,8時限, 9,10時限
1/6(土) 5,6時限,7,8時限, 9,10時限
1/7(日) 5,6時限,7,8時限, 9,10時限
1/8(月,祝日) 5,6時限,7,8時限
履修を希望する場合には,原則として,12月20日(水)までに履修登録してください。
この講義は、今年度で廃止されます。そのため、学士課程の学生が履修しても、大学院に入学後に大学院課程の単位とすることはできません。
到達目標
以下の知識と能力を習得する。
(1) 線形代数に基づく量子力学の基礎
(2) 非局所性に基づく量子力学の理解
(3) 量子テレポーテーション等の基本的な量子情報処理の技術
(4) 量子回路を用いた量子計算の基礎
(5) 基本的な量子アルゴリズム(位相推定、Shor のアルゴリズム、Grover のアルゴリズム)
キーワード
量子情報、量子計算
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
対面の講義をおこなう。講義に使用した資料は GitHub にアップロードする。毎回の授業で演習課題を出題する。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 量子論: 量子状態と量子測定、ベルテスト | 量子論の定式化に関する基本的な課題 |
第2回 | 1量子ビット: ブロッホ球、ユニタリ変換、1量子ビットゲートのユニバーサリティ | 1量子ビットにおけるユニタリ変換の計算 |
第3回 | 2つ以上の量子ビット: テンソル積、エンタングルメント、Schmidt 分解 | テンソル積や Schmidt 分解に関する計算 |
第4回 | スペクトル分解、量子状態の純粋化、超密度符号化 | スペクトル分解や純粋化に関する課題 |
第5回 | 量子テレポーテーション | 合成系における量子状態の部分測定に関する課題 |
第6回 | 非局所性: ベルの不等式、GHZパラドクス、XORゲーム | XORゲームの勝率の計算 |
第7回 | 量子状態の識別: Holevo--Helstrom の定理、トレースノルム | トレースノルムの計算 |
第8回 | 量子論に基づく暗号プロトコル: BB84 | 量子暗号に関する課題 |
第9回 | 量子回路: Deutch--Josza アルゴリズム | 量子回路の出力状態の計算 |
第10回 | 量子回路のユニバーサル性 1 | 量子回路の設計 |
第11回 | 量子回路のユニバーサル性 2 | 量子回路の設計 |
第12回 | 量子位相推定 | 量子位相推定の解析 |
第13回 | Shor のアルゴリズム | ユニタリ行列の固有ベクトルの導出 |
第14回 | Grover のアルゴリズムとその最適性 | Grover のアルゴリズムの一般化の証明 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
特になし。
参考書、講義資料等
Michael A. Nielsen and Isaac L. Chuang, "Quantum Computation and Quantum Information," 10th Anniversary edition, Cambridge University Press 2010.
成績評価の方法及び基準
演習課題: 100%
関連する科目
- MCS.T203 : 応用線形代数
履修の条件・注意事項
特に条件はないが、線形代数の十分な理解を要する。