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2023年度 学院等開講科目 物質理工学院 材料系 材料コース

金属の回復・再結晶・集合組織

開講元
材料コース
担当教員
田原 正樹 / 稲邑 朋也
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
月1-2 (J2-303(J234))
クラス
-
科目コード
MAT.M425
単位数
100
開講時期
2023年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2025年7月8日
使用言語
英語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義では加工熱処理による材質制御の原理を理解するために,単相の多結晶金属材料における回復,再結晶,集合組織を扱います.特に,粒界の記述法,粒界移動,回復における転位の再配列と対消滅,再結晶のキネティクス,集合組織とその支配因子に重点を置きます.

到達目標

本講義を履修することによって,金属材料の特性を決定する「組織」を制御するための基礎学理を身につけることができます.回復・再結晶・集合組織の基礎を通じて,材質を加工熱処理によって制御するための基本的な考え方を理解することを目標とします.

キーワード

回復,再結晶,集合組織,粒成長,加工熱処理

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の最後に,演習問題に取り組んでもらいます.

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 イントロダクション,粒界の構造とエネルギー ミスオリエンテーション,粒界エネルギー
第2回 粒界移動 低角・高角粒界の易動度 粒界移動の平衡条件,ピン止め, 易動度,低角粒界,高角粒界の易動度に影響する諸因子
第3回 変形組織と蓄積エネルギー 加工によって導入される粒界,転位のエネルギー
第4回 回復と一次再結晶の経験則と速度論 回復の経験則と,転位の熱活性化過程に基づく回復過程 一次再結晶の経験則と速度論
第5回 粒成長,反応の連続性と不連続性 粒成長の幾何学と粒成長理論
第6回 集合組織の表記法と測定法 変形集合組織の起源 極点図,オイラー角による表現 単結晶の方位回転,テイラーモデル
第7回 変形集合組織,再結晶集合組織 fcc, bcc, hcpにおける変形集合組織

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

Recrystallization and related annealing phenomena, F. J. Humphreys and M. Hatherly, Elsevier

参考書、講義資料等

講義資料は講義中に配布する

成績評価の方法及び基準

講義時の演習(30%)および期末のレポート(70%)

関連する科目

  • MAT.M303 : 格子欠陥と転位

履修の条件・注意事項

転位論を学んでいることが望ましい