2023年度 学院等開講科目 物質理工学院 応用化学系
応用化学実験(専門)第二
- 開講元
- 応用化学系
- 担当教員
- 田中 克典 / 村橋 哲郎 / 山中 一郎 / AMBARA RACHMAT PRADIPTA / 福井 智也 / 田中 浩士 / 榧木 啓人 / CATTI LORENZO / 山本 雅納 / 松井 直喜
- 授業形態
- 実験等 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 月5-8 (M-107(H113), M-103(H114), M-102(H115)) / 火5-8 (M-107(H113), M-103(H114), M-102(H115))
- クラス
- -
- 科目コード
- CAP.A302
- 単位数
- 002
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 4Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
[講義の概要] 本講義では、有機合成と有機金属分野における実験手法を教授する。具体的には、二つのテーマ「立体選択的な炭素−炭素結合形成によるキラル分子の不斉合成」と「遷移金属錯体を用いる均一系触媒反応」について実験を行うことによって、合成化学研究に必要な不活性ガス下、無水条件における反応操作法や、カラムクロマトグラフィーによる分離精製技術、NMR及びIRによる構造同定や、HPLCによる光学純度の決定をはじめとする各種機器分析法を教授する。
[講義のねらい] 本講義では、講義として学習した有機化学、無機化学、触媒プロセス化学などの内容について、実験を通して理解度を高める。また、実験操作技術を修得し、実験条件を変えた結果を共有することで議論・考察を深め、「課題発見・解決力」を強化する。これらの実体験を通して最先端の化学研究と実験授業とのギャップの解消を図る。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1) 不活性ガス下、無水条件が必要となる有機合成反応の実験技術を修得できる。
(2) キラル分子の不斉合成に関する実験技術を修得できる。
(3) 均一系触媒反応のメカニズムを有機金属錯体の素反応をもとに説明できる。
(4) NMRなどの分光分析技術を駆使して、有機化合物、有機金属化合物の分子構造決定ができる。
キーワード
炭素-炭素結合形成、不斉合成、有機金属錯体、均一系触媒、カップリング反応
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
本講義では、「立体選択的な炭素−炭素結合形成によるキラル分子の不斉合成」と「遷移金属錯体を用いる均一系触媒反応」の二つのテーマについて、それぞれ実験の概要について講義、実験、解析、結果の発表を行う。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 有機合成① Grignard反応剤の調製 | Grignard試薬の性質について説明できる。 |
第2回 | 有機合成② Grignard反応剤を用いたアルデヒドへの1,2-付加反応 | 1,2付加体のNMRスペクトルが解析できる。 |
第3回 | 有機合成③ ラセミアルコールの速度論的光学分割 | エナンチオおよびジアステレオ選択性について説明できる。 |
第4回 | 有機合成④ カラムクロマトグラフィーによる分離精製 | 有機化合物の精製・単離のための手段を説明できる |
第5回 | 有機合成⑤ 炭酸エステルの加水分解 | エステルの加水分解機構が説明できる。 |
第6回 | 有機合成⑥ Johnson-Claisen転位反応 | 3,3-シグマトロピー転位反応の機構について説明できる。 |
第7回 | 有機合成⑦ 有機合成の最終発表会:結果と考察 | 実験結果を論理的に解析し説明できる。 |
第8回 | 有機金属① 銅塩を用いる芳香族ヨウ化物のホモカップリング反応 | 原子効率・E-ファクターについて説明できる。 |
第9回 | 有機金属② パラジウム触媒を用いるギ酸還元反応 | ビアリール化合物のNMRスペクトル解析ができる。 |
第10回 | 有機金属③ パラジウム触媒を用いる芳香族ヨウ化物のクロスカップリング反応 | 有機金属錯体の素反応を説明できる。 |
第11回 | 有機金属④ ヒドリドルテニウム錯体の合成 | 有機金属錯体の多核NMRスペクトル解析ができる。 |
第12回 | 有機金属⑤ ルテニウム錯体を用いるアリルエーテルの異性化反応 | アルケンの幾何異性体のNMRスペクトル解析ができる。 |
第13回 | 有機金属⑥ ルテニウム錯体を用いる触媒的水素移動反応 | 均一系触媒反応の機構を説明できる。 |
第14回 | 有機金属⑦ 有機金属の最終発表会:結果と考察 | 実験結果を論理的に解析し説明できる。 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。
教科書
東京工業大学物質理工学院編『応用化学実験(専門)テキスト2016-2018』初回ガイダンスにおいて配布する。
参考書、講義資料等
必要に応じて配布する。
成績評価の方法及び基準
全出席および全実験履修が原則である。
各実験において課されるレポート(60%)、発表会におけるプレゼンテーション技能評価(20%)・作成した発表資料および発表後の質疑応答から評価される到達度評価(20%)。
関連する科目
- CAP.F201 : 応用化学実験第一 a/b
- CAP.F202 : 応用化学実験第一 b/a
- CAP.F203 : 応用化学実験第二 a/b
- CAP.F204 : 応用化学実験第二 b/a
- CAP.F301 : 応用化学実験第三
履修の条件・注意事項
応用化学実験第一、第二、および第三を履修していること。