2023年度 学院等開講科目 工学院 機械系
トライボロジーの基礎
- 開講元
- 機械系
- 担当教員
- 田中 智久 / 大竹 尚登 / 平田 敦 / 田中 真二
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火1-4 (I1-256(I121))
- クラス
- -
- 科目コード
- MEC.J333
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 3Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
機械工学において重要な役割を果たしている、「トライボロジー」に関連した以下の内容を中心に講義する。
(1) トライボロジーに関する基礎的概念と、その工学への応用例。
(2) 複雑なトライボロジーの基本的原理。
(3) 可動部を持つ機器に生じ得るトライボロジカルな問題と、その一般的な解決法。
到達目標
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)摩擦摩耗の基礎を理解する。
2)流体潤滑理論の基礎を理解する。
3)表面粗さ、接触理論の基礎を理解する。
4)境界潤滑の基礎を理解する。
5)表面改質の基礎を理解する。
この科目は、学習目標の
6. 機械工学の発展的専門学力
7. 専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の習得に対応する。
キーワード
トライボロジー,摩擦,流体潤滑,境界潤滑,表面改質
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
授業は講義形式で行われ,数回に一回のペースで演習課題が課されます。各回の課題を予習・復習して下さい。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 摩擦力学(田中智久) -トライボロジーの意義と役割,静止摩擦力とアモントンの法則 | 静摩擦と動摩擦の区別,動摩擦と振動についての理解 |
第2回 | なめらかな表面の接触と摩擦(田中智久) -接触と弾性変形 | 接触,ヘルツ変形,摩擦の発生についての理解 |
第3回 | 油があるときの摩擦(田中智久) -潤滑油と摩擦,ストライベック線図と摩擦の形態 | 潤滑剤の粘度についての理解,ストライベック線図の解釈 |
第4回 | 流体潤滑1(田中智久) -動圧軸受とレイノルズ方程式、動圧の発生機構 | レイノルズ方程式の導出,滑り速度・粘度・隙間形状の関係についての理解 |
第5回 | 流体潤滑2(田中真二) -滑り軸受の潤滑理論 | 滑り軸受の潤滑理論に関する理解 |
第6回 | 流体潤滑3(田中真二) -レイノルズ方程式の限界,弾性変形とレイノルズ方程式 | レイノルズ方程式の限界と修正法についての理解,弾性流体潤滑理論 |
第7回 | 表面粗さと接触(田中真二) -表面粗さと真実接触面積,粗さのある面の静止摩擦係数 | 表面粗さ,真実接触面積とアモントンの法則の関係についての理解 |
第8回 | 固体の摩擦係数(平田敦) -空気中での金属の摩擦係数,金属表面と酸化膜 | 真空中の摩擦係数,酸化膜の潤滑作用についての理解 |
第9回 | 境界潤滑1(平田敦) -液体の表面張力,固体の濡れ性 | 表面張力,濡れ性等の表面物性に関する理解 |
第10回 | 境界潤滑2(平田敦) -吸着、境界潤滑の概念 | 境界潤滑,物理吸着,化学吸着についての理解 |
第11回 | 境界潤滑3(平田敦) -潤滑剤・添加剤,固体潤滑剤 | 潤滑油,固体潤滑剤の特性についての理解 |
第12回 | 摩耗(大竹尚登) -摩耗の形態 | 摩耗の基礎についての理解 |
第13回 | トライボマテリアルと表面改質(大竹尚登) | トライボマテリアルと表面改質の基礎についての理解 |
第14回 | 表面改質2(大竹尚登) -表面改質による摩擦摩耗特性の改善 | 表面改質による摩擦摩耗特性の改善についての理解 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
「トライボロジーの基礎」加藤,益子(培風館)
参考書、講義資料等
「トライボロジー」山本,兼田(理工学社)
「基礎から学ぶトライボロジー」橋本(森北出版)
「初めてのトライボロジー」佐々木他(講談社)
「トライボロジーハンドブック」日本トライボロジー学会編(養賢堂)
「機械工学便覧B1機械要素設計・トライボロジー」(日本機械学会)
成績評価の方法及び基準
トライボロジーにおける基礎項目の理解度と、基本的な問題に対する応用能力を評価する。
評価は以下のいずれかで行う.
(1) 講義中の課題・宿題(20%)学期末の試験(80%)による.
(2) 授業中および期末の課題の結果による.
関連する科目
- MEC.F211 : 実在流体力学
- MEC.C201 : 材料力学
- MEC.H201 : 機械要素及び機械製図
- MEC.J311 : 精密機械基礎学
- MEC.J432 : 超精密機構とその制御
- MEC.J331 : マイクロ・ナノ加工基礎
- MEC.J531 : マイクロ・ナノシステム
履修の条件・注意事項
履修の条件を設けない