2023年度 H27年度以前入学者向け 理学部 物理学科
熱・統計力学第一
- 開講元
- 物理学科
- 担当教員
- 古賀 昌久
- 授業形態
- 講義 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火1-2 (M-103(H114)) / 金1-2 (M-103(H114))
- クラス
- -
- 科目コード
- ZUB.S205
- 単位数
- 200
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 1Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
統計力学への導入として、確率論の初歩(平均、分散、正規分布など)を解説する。次に量子力学から来るエネルギー準位、状態数、状態密度等の概念を導入し、それらを用いてミクロカノニカル分布の定義と温度の概念の導入を行う。熱力学の概念とその応用を,熱力学第二法則を中心に解説する。代表的な系(調和振動子、2準位系など)における計算も合わせて示す。さらにカノニカル分布の考えを導入する。分配関数を定義し、代表的な系を用いた計算を示す。関連して熱力学第三法則を統計力学の立場から説明する。さらに、カノニカル分布の応用例として、黒体輻射、および固体の格子振動と比熱の例を解説する。
統計力学の基礎的な概念(確率による現象の記述,ミクロカノニカル分布,カノニカル分布)およびそれらの初歩的なな応用例の理解を目指す。
到達目標
ミクロカノニカル分布・カノニカル分布に関する統計力学の体系を理解し、それに基づく計算ができること、また調和振動子系、理想気体、黒体輻射、固体の比熱などの基本となる問題に関して統計力学的な立場から理解することを到達目標とする。熱力学については,第1法則および第2法則を理解し,現実の問題に応用する力を付けることを目指す。
キーワード
確率論の基礎,量子力学の基礎,熱力学第1法則,熱力学第2法則,ミクロカノニカル分布,カノニカル分布,分配関数,デバイ模型,黒体輻射
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
各回の学習目標をよく読み,予習・復習で行って下さい。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 統計力学の基本的な目的と考え方 | 教科書第2章の予習をすること。 |
第2回 | 確率論の基礎 | 教科書第2章の章末問題 |
第3回 | 自由粒子の量子力学 | 教科書第3章の章末問題(前半) |
第4回 | 自由粒子の状態数とその漸近形 | 教科書第3章の章末問題(後半) |
第5回 | 熱力学第1法則 | 配布する講義ノートに記載された問題 |
第6回 | 熱力学第2法則とその応用 | 配布する講義ノートに記載された問題 |
第7回 | 中間試験と解説 | |
第8回 | カノニカル分布の導出 | 教科書第4章の章末問題 |
第9回 | カノニカル分布による調和振動子および2準位系の解析 | 教科書第5章の章末問題(前半) |
第10回 | 古典系のカノニカル分布とその応用 | 教科書第5章の章末問題(後半) |
第11回 | 格子振動の固有モード | 教科書第6章の章末問題(前半) |
第12回 | 格子振動のアインシュタイン模型とデバイ模型 | 教科書第6章の章末問題(後半) |
第13回 | 黒体輻射にまつわる歴史的背景 | 配布する問題 |
第14回 | 電磁場と調和振動子 | 教科書第7章の章末問題 |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
統計力学 (長岡洋介著, 岩波基礎物理シリーズ 7)
参考書、講義資料等
特になし。
成績評価の方法及び基準
期末試験等により総合的に評価する。
関連する科目
- ZUB.M201 : 物理数学第一
- ZUB.M213 : 物理数学第二
- ZUB.Q204 : 量子力学第一
履修の条件・注意事項
確率論および量子力学の初歩的な知識を必要とするが,これらについて随時解説する。