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2023年度 学院等開講科目 理学院 物理学系 物理学コース

物理学特別講義第四十九

開講元
物理学コース
担当教員
衛藤 稔
授業形態
講義 (対面型)
メディア利用科目
-
曜日・時限
(講義室)
集中講義等
クラス
-
科目コード
PHY.P590
単位数
100
開講時期
2023年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2025年7月8日
使用言語
日本語

シラバス

授業の目的(ねらい)、概要

本講義では素粒子・原子核・宇宙・物性など物理(に限らず)の諸分野に広く現れるトポロジカルソリトンを紹介する。トポロジカルソリトンの存在は、対象とする物理系のエネルギースケールや模型の詳細にはほとんど依存せず、系の対称性とその自発的破れが本質的に重要である。
本講義では相対論的な場の理論を中心に時空の次元・対称性・場の種類などに応じて、どのようなトポロジカルソリトンが存在するのか、そしてそれらがどのような性質を持つのかを説明する。
ソリトンに関するトピックはかなり幅広いが、まずはソリトンを特徴付ける位相不変量やホモトピー群といった基礎を解説し、ソリトン方程式の解析解・数値解の求め方・ダイナミクスなどを説明する。ディフェクト型ソリトンとテクスチャー型ソリトン・フェルミオンゼロモードの局在や超対称性を持つ理論におけるBPSソリトンを紹介する。
最近のトピックとして、数種のソリトンが複合的に現れるハイブリッド型ソリトン・多成分BEC系(Gross-Pitaevskii理論)の分数量子渦・有限密度QCDに現れるカイラルソリトン格子についても紹介し、トポロジカルソリトンが関係する研究の最近の進展を追う。

到達目標

修士課程学生に対し、担当講師が設定する水準まで十分に内容を理解すること。
担当講師が設定する標準的課題を解決する。

キーワード

対称性、トポロジー、トポロジカルソリトン

学生が身につける力

  • 専門力
  • 教養力
  • コミュニケーション力
  • 展開力 (探究力又は設定力)
  • 展開力 (実践力又は解決力)

授業の進め方

集中講義形式で日本語で行う。
12/11(月)13:00-17:30(途中休憩含む)
12/12(火)13:00-17:30(途中休憩含む)
12/13(水)13:00-17:30(途中休憩含む)
場所:未定

授業計画・課題

授業計画 課題
第1回 対称性の自発的破れとトポロジカルソリトン 担当講師が講義中に指示する。
第2回 トポロジカル電荷・ホモトピー群
第3回 ディフェクト型トポロジカルソリトン
第4回 テクスチャー型トポロジカルソリトン
第5回 フェルミオンゼロモード
第6回 超対称性とトポロジカルソリトン
第7回 ハイブリッド型ソリトン
第8回 多成分BEC系(Gross-Pitaevskii理論)の量子渦
第9回 カイラルソリトン格子

準備学修(事前学修・復習)等についての指示

教科書

Classical theory of gauge fields: Valery Rubakov (Transrated by Stephen S. Wilson), Princeton University Press
Cosmic strings and other topological defects: A. Vilenkin and E.P.S. Shellard, Cambridge monographs on mathematical physics
Topological solitons: Nicholas Manton and Paul Sutcliffe, Cambridge monographs on mathematical physics
Classical solutions in quantum field theory: Erick J. Weinberg, Cambridge monographs on mathematical physics

参考書、講義資料等

講義ノートを配る予定です。

成績評価の方法及び基準

授業中の質問や議論、および講義内容に関連したレポートによる。

関連する科目

  • PHY.Q433 : 場の理論I
  • PHY.Q434 : 場の理論II
  • PHY.Q438 : 多体系の量子力学

履修の条件・注意事項

特になし。