2023年度 学院等開講科目 理学院 地球惑星科学系
熱力学(地惑)
- 開講元
- 地球惑星科学系
- 担当教員
- 大森 聡一 / 横山 哲也
- 授業形態
- 講義/演習 (対面型)
- メディア利用科目
- -
- 曜日・時限
(講義室) - 火7-8 (石川台2号館Ishikawadai Bldg. 2 318) / 金7-8 (石川台2号館Ishikawadai Bldg. 2 318)
- クラス
- -
- 科目コード
- EPS.B202
- 単位数
- 110
- 開講時期
- 2023年度
- 開講クォーター
- 1Q
- シラバス更新日
- 2025年7月8日
- 使用言語
- 日本語
シラバス
授業の目的(ねらい)、概要
地球は複雑な多成分系であるが、個々のパーツは極めて基本的な物理法則・化学法則の積み重ねにより構築されてきた。例えば岩石や鉱物の形成は熱力学に支配されており、温度・圧力・化学組成の関数として記述可能である。本講義は基礎編と応用編から成り、前半(第1回~第7回)では、熱力学の基礎および自由エネルギーなどについて講義する。後半(第8回~第14回)では個別の地球惑星科学的テーマを念頭に,熱力学の応用の実際を学ぶ。
到達目標
地球惑星科学を学ぶ上で必要となる熱力学についてその岩石学・鉱物学または地球化学への応用を目標に講義する。基礎編では熱力学の基礎および自由エネルギーなどについて講義する。種々の熱力学関数を正しく理解し、それらを用いた演習問題が解答できるようにすることを目標とする。応用編では個別の地球惑星科学的テーマを取り上げて,熱力学の応用の実際を学ぶ。対象の自然現象を多成分系問題として設定し,水溶液の化学や岩石の化学等、実用に則した熱力学の活用法を身につける。
キーワード
自由エネルギー、状態図、相律、水溶液、固溶体、鉱物共生
学生が身につける力
- 専門力
- 教養力
- コミュニケーション力
- 展開力 (探究力又は設定力)
- 展開力 (実践力又は解決力)
授業の進め方
各回の授業内容をよく読み、配付資料や参考書を用いて予習・復習を行うこと。
授業計画・課題
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション | 講義の概要を知り,熱力学で何が出来るか理解する |
第2回 | 熱力学の基礎 | 熱力学の基礎について確認する |
第3回 | 自由エネルギー(1) | 自由エネルギーの概念を理解する |
第4回 | 自由エネルギー(2) | Gibbs エネルギーの温度・圧力依存性を理解する |
第5回 | 基礎編演習 | ここまでの学習に関する演習問題を解く |
第6回 | 多成分系の相平衡(1):系の設定,相律 | マントルの状態図を例に,多成分系の扱いを理解する |
第7回 | 多成分系の相平衡(2):シュライネマーカスの束,Gibbs エネルギー最小化 | シュライネマーカスの束,Gibbs エネルギー最小化の原理などを理解する |
第8回 | 流体を含む相平衡:気体の状態方程式 | 流体を含む系の相平衡について理解する。気体の状態方程式について理解する |
第9回 | 平衡計算の方法と応用編演習1 | 平衡条件の計算法を理解する |
第10回 | 固溶体の熱力学と地質温度圧力計 | 固溶体とその熱力学的性質を理解し,地質温度圧力計に応用する |
第11回 | 水溶液の熱力学(1) | 水溶液の熱力学的扱いを理解する |
第12回 | 水溶液の熱力学(2) | 完全移動成分と溶液に関する状態図について理解する |
第13回 | 応用編演習2 | 水溶液に関する演習問題を解く |
第14回 | まとめ | 講義の全体を復習し,最終レポートの課題について説明する |
準備学修(事前学修・復習)等についての指示
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
教科書
講義中にT2SCHOLA経由で資料を配付する
参考書、講義資料等
P.W. Atkins 著 『アトキンス物理化学(上)』(第8版) 東京化学同人
内田 悦生 著 『岩石・鉱物のための熱力学』 共立出版
松尾 禎士 著 『地球化学』 講談社
成績評価の方法及び基準
水・岩石・鉱物に関わる熱力学についての理解度と実践力を評価する。講義中の演習に基づく最終のレポートで成績を評価する。
関連する科目
- EPS.B211 : 無機化学(地惑)
- EPS.A201 : 地球惑星物質学序論
- CHM.B334 : 地球化学
- EPS.A331 : 地球物質学
履修の条件・注意事項
履修の条件を設けない